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週刊 メキシコペソレポート(2019.05.20)

今週のメキシコペソのレート変動確認と大胆にも来週のレート予想を行う『週刊メキシコペソレポート』です。メキシコペソでトレードを行っている人やこれからスワポ運用を考えている人の参考になればと思って毎週書いていきます。

今週のメキシコペソは米中の関税問題の後でフラフラしていた感じですねぇ。極端に上にも行かず、かといって極端に下にも行かず。方向感に乏しい感じでした。政策金利も据え置きだったし、週末鉄鋼・アルミに関する良いニュースもあったんですけどね。

さて、そんなメキシコペソを詳しく見ていきましょう。

◇Agenda◇

今週のメキシコ経済ニュース

今週のレート確認

週足で見る中・長期トレンド

来週のレート予想

◇今週のメキシコ経済ニュース◇

日経オンラインから1週間の記事を拾いそのヘッドラインを載せます。

火:日米企業、供給網見直し 「第4弾」備え警戒
水:メキシコ、米に報復検討(鉄・アルミ関税撤廃を要求 新NAFTA批准に影)
木:対メキシコ貿易紛争、米消費者の食卓を直撃
金:メキシコ、政策金利8.25%に据え置き 3会合連続
金:高技術・高学歴の移民優先、トランプ米大統領が改革案
土:米、対カナダ・メキシコ鉄鋼関税撤廃 新協定発効前進

米中の関税合戦の陰に隠れていましたが、米はカナダやメキシコとも関税問題を抱えていました。鉄鋼とアルミ関税です。水曜日にメキシコとその緊張がピークに達しましたが、結局金曜に鉄鋼の関税撤廃でひとまず落ち着きを見せました。流石に中国と大掛かりな争いを起こしたばっかりで、陸続きの両国とも揉めるのは得策ではないと判断したのでしょう。

ちなみに木曜の貿易紛争記事は鉄鋼・アルミとは全く関係のない『トマト』です。この時期に紛らわしい(苦笑

今週も火曜に米中の貿易摩擦による関税引き上げから日本企業や米国企業までもが生産拠点をメキシコ等に移すという記事がありました。何度も書きますが関税問題で米が負ける要素は全くありません。何故なら米の中国からの輸入品で中国しか生産できないものはないからです(一部のレアアースなどの素材はさりげなく関税対象外にしてるし今や代替技術もあります)。中国で生産されているものは米国国内や中国以外の第三国で生産すればいい訳で。ここ1、2年でサプライチェーンの再構築がドラスティックに進むことが予想されます。これにより中国は経済基盤の多くを失うことになります。一方中国は米でしか生産できない製品を輸入せざるを得ず、これに関税をかけることになるので関税分は中国政府が補填する格好になります。

アメリカは中国経済の背骨をへし折るまで手を引かない

 構造的にはかつての米ソ冷戦と同じで、結局は中国共産党が瓦解して中国が全く別の国になるまでこの新冷戦は続くと思いますよ。米ソ冷戦と異なるのは、米国とソ連は西と東という陣営に分かれ違うブロック経済圏を構築していましたが、今の米国と中国は経済圏がかなり被っています。恐らくはこの後中国とロシアを中心とした経済圏、米国を中心とした経済圏に分かれていくはずで、かなりの国は両陣営のどちらに付くのか迫られるのではないでしょうか。

さらに米国経済圏の仲間なんだろうけど、日本はTPP11を中心としたアジア太平洋経済圏を進めることになるでしょう。現在の11ヵ国にタイとインドを加えたより大きな経済圏となり、日本はその中心となっていくことが予想されます。実は日本にとって米中新冷戦は

絶好のチャンス

なんじゃないでしょうか。メキシコも米国経済圏ですので長期的には

絶好のチャンス

この辺の話は別途つっこんで記事を書いてみようと思います。

◇今週のレート確認◇

メキシコは輸入の5割以上、輸出の7割以上がお隣の米国が相手です。だからメキシコの政府や中央銀行は対米ドルとのレートしか気にしないはずで、ペソのトレンドは対米ドルチャートに最も強く現れると考えます。

当記事ではMXNJPYの結果を深く理解するために、先ずは基本となるUSDMXNの結果を確認してからUSDJPNとMXNJPYを確認しようと思います。

★USDMXN(4H)
今週のUSDMXNの4時間足チャートです。縦の青い破線の右側が今週のチャート。

f:id:rudolfu:20190519224233p:plain

さぁ、困った(苦笑

今週の終値が下がり切らずに先週の終値よりも大分高い!予想完全に外れました!鉄鋼・アルミ関税が一段落したし、政策金利も市場予想と同じ据え置きとなったんだからもう少し下がっててもおかしくないんだけどなぁ…

ただ高値も安値も切り下がっているのでまだ強気を崩さなくていいかな(苦笑

★USDJPY(4H)
今週のUSDJPYの4時間足チャートです。縦の青い破線より右側が今週のチャート。

f:id:rudolfu:20190519223710p:plain

今週の前半はかなり円高が進みました。米中問題であることは言うまでもありません。ただ金曜日は終わりにかけて結構円安が進みました。これは北米貿易交渉の不透明感が後退し、相対的に低リスク通貨とされる円の売り材料になったためですね。米国とカナダ・メキシコとの関税問題が実はドル円の重しにもなっていたんですね。

★MXNJPY(4H)
今週のMXNJPYの4時間足チャートです。これだけはMT4ではなくみんなのFXのチャートを使っています。縦の青い破線より右側が今週のチャートです。

f:id:rudolfu:20190519231136p:plain

あまりトレンドのない、いい意味でも悪い意味でも横横状態でした。本当は仕舞にかけてドル円が円安に振れたので上昇してくれることを期待したのですが今週は不発に終わっています。

先週の終値:5.753(Light FX)

今週の終値:5.730(Light FX)

今週の変動:-2.3 pips (-0.40%)

◇週足で見る中・長期トレンド◇

★USDMXN(1W)

USDMXNの週足チャートから、メキシコペソの中・長期トレンドを見てみましょう。

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2種類のトレンドラインがあります。一つは右上がりの平行ライン、もう一つは高値切り下げと安値切り上げの収束ライン(三角持ち合い)です。どちらのトレンドでも一番下の右肩上がりのラインは共通となっています。で、過去何度かこの下限ラインをブレークしようとする動きがありました。が、結局一次的にブレークしてもすぐ下限の上に戻ってしまっていました。前々回、それが終わりを告げトレンド転換が起きたと宣言しました。

今週も一番下の右肩上がりのラインを下から上に突破しました。しかも突破して戻ってきていません。うーん、これはまずいなぁ。もうすこし市場がリスクオンになって新興国まで資金が回ってこないと。前回までとはちょっと状況が変わっちゃって弱気な感じが少し出てきてますね。

◇来週のレート予想◇

来週のペソですが経済指標の発表は以下の通り

5/22:小売販売
5/23:ミッド月のインフレ率
5/24:4月貿易収支、GDP成長率Q1、経常収支Q1

特に5/24の数値に注目ですね。市場予測は貿易収支が$1.429B、経常収支が-$342.4Mとなっています。

これらを踏まえまして来週の大胆レート予想。ドルペソは上は19.25ペソ、下は18.93までじゃないかと予想。ちょっと弱気です(汗

USDMXN:18.93000~19.25000

次にドル円です。まず月曜日に発表されるGDPの数字に注目ですね。

USDJPY:109.500円~110.500円

このUSDMXNとUSDJPYから来週のMXNJPYの安値と高値はこんな感じになると予想

MXNJPY:5.688円~5.837円

今週もペソの強気は変わりませんがちょっと弱気モードが入ってきました(汗

でも、

ホールド継続

のスタンスに変わりなしですね。5.7割ってきたら買い増しで

 

トレードは自己責任で!