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週刊 メキシコペソレポート(2019.05.13)

今週のメキシコペソのレート変動確認と大胆にも来週のレート予想を行う『週刊メキシコペソレポート』です。メキシコペソでトレードを行っている人やこれからスワポ運用を考えている人の参考になればと思って毎週書いていきます。

今週のメキシコペソは米中の関税問題に大きく影響を受けました。トランプ大統領ツイッターで月曜日はほとんどの通貨ペアが大きく窓開けでスタート。ペソ、月曜日は対ドルで踏ん張っていましたが火曜日以降はジリジリ上昇。久々に1ドル19.3ペソを突破しました。金曜日になってペソ高方向に振れましたがそれでも先週末の終値までは下がり切っていません。

さて、そんなメキシコペソを詳しく見ていきましょう。

◇Agenda◇

今週のメキシコ経済ニュース

今週のレート確認

週足で見る中・長期トレンド

来週のレート予想

◇今週のメキシコ経済ニュース◇

月:米移民対策で新幹部指名 トランプ大統領、強硬派か
月:米中貿易摩擦再燃、日本企業の生産シフト加速も
火:ソフトバンク、メキシコのフィンテック企業に投資=関係筋
水:メキシコ自動車生産、19年は3.5%増に 業界団体予測
木:原油先物は下落、米中貿易摩擦巡る懸念で
木:メキシコ政府、米のキューバ制裁を「断固拒否」
木:米トマト輸入関税は移民抑制策に逆行、メキシコ大統領が批判
金:米貿易赤字、3月1.5%増 対中赤字は5年ぶり低水準
土:メキシコ、22年にガソリン自給自足 大統領が宣言
土:メキシコ国境の壁建設で国防予算から15億ドルを拠出 長さ約130キロ分

今週のメキシコ関連ニュースで目立ったのが、米中の貿易摩擦による関税引き上げから日本企業の生産拠点がメキシコ等に移されるという記事です。上では月曜日のものにまとめていますが記事としては複数ありました。この流れは日本以外の対米輸出の高い他国の企業にも言えることでしょう。

米国の対中輸入関税は、世界経済、特に米国経済の失速懸念からリスクオフとなり新興国通貨安に繋がっています。ただ、中・長期的な視点では、サプライチェーンのシフト、つまり中国の生産拠点が他の国に移動することが加速されることが予想されます。対米貿易を考えると陸続きの隣国であるメキシコが注目されるのは必須。メキシコの経済発展にはプラスに働くものと思われます。つまり、

対中関税でのペソ安は買い

である可能性が高いですね。もちろん米国とメキシコの関係が順風満帆で問題無しという訳ではないですから注意は必要です。特に僕が注目しているのが

  1. 新貿易協定『USMCA』の各国批准遅延
  2. 不法移民対策としての国境の壁問題
  3. メキシコ左翼政権と米政権との衝突

今は国境の壁問題が取り上げられることが多いですが将来的にはUSMCAの批准問題が大きくなることは目に見えています。またキューバやベネゼエラに対する米国の対応に対して、結構メキシコ政府は反対の立場を取ります。メキシコが左翼政権であるためですね。古今東西、左翼政権は経済問題をかなり蔑ろにしてでもイデオロギーの価値観を優先するきらいがありますが・・・

◇今週のレート確認◇

メキシコは輸入の5割以上、輸出の7割以上がお隣の米国が相手です。だからメキシコの政府や中央銀行は対米ドルとのレートしか気にしないはずで、ペソのトレンドは対米ドルチャートに最も強く現れると考えます。

当記事ではMXNJPYの結果を深く理解するために、先ずは基本となるUSDMXNの結果を確認してからUSDJPNとMXNJPYを確認しようと思います。

★USDMXN(4H)
今週のUSDMXNの4時間足チャートです。縦の青い破線の右側が今週のチャート。

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3週間前からドルペソは短期上昇トレンドに入っています。安値、高値を切り上げているからです。今週は久々に1ドル19.3ペソを突破しました。特に今週は米国の対中輸入関税の影響が響いた格好です。

今週、先週とメキシコペソにとっては逆風のニュースが立て続けに発表されました。結構メガトン級の悪材料も出ていました。米国は中国からの輸入品の内、残りの未関税品に対しても関税を上乗せするとの報道が金曜日にありました。これが来週のペソにどう影響するかでしょうねぇ(詳しくは↓の来週のレート予想)

★USDJPY(4H)
今週のUSDJPYの4時間足チャートです。縦の青い破線より右側が今週のチャート。

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今週はかなり円高が進みました。米中問題であることは言うまでもありません。ただ金曜日はかなり横這いとなっています。

★MXNJPY(4H)
今週のMXNJPYの4時間足チャートです。これだけはMT4ではなくみんなのFXのチャートを使っています。 

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木曜日に安値を付けた後金曜日にかけて戻しています。ドルペソ、ドル円が激しく動いていますので思わぬ方向に相乗効果が出てしまった場合もあるようです。結局今週のペソ円は以下の通り。

先週の終値:5.860(Light FX)

今週の終値:5.753(Light FX)

今週の変動:-10.7 pips (-1.83%)

◇週足で見る中・長期トレンド◇

★USDMXN(1W)

USDMXNの週足チャートから、メキシコペソの中・長期トレンドを見てみましょう。

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2種類のトレンドラインがあります。一つは右上がりの平行ライン、もう一つは高値切り下げと安値切り上げの収束ライン(三角持ち合い)です。どちらのトレンドでも一番下の右肩上がりのラインは共通となっています。で、過去何度かこの下限ラインをブレークしようとする動きがありました。が、結局一次的にブレークしてもすぐ下限の上に戻ってしまっていました。4週間前にそれが終わりを告げトレンド転換が起きたと宣言しました。

今週は下限ラインを一時越えましたが、終値は下限ライン付近となっています。今週も短期上昇トレンドが続いてしまうと中・長期でも上昇トレンド入りすることになりそうです。今週は結構瀬戸際になりそうですね。

 

◇来週のレート予想◇

今週は対中貿易関税引き上げ一色の相場となりましたが、それに触れた先週のトランプ大統領ツイッターでは未関税品に対する追加関税にも触れていたので、市場は既に織り込み済みとも考えられますし、まだ織り込みきれていないとも考えられます。来週月曜日に今週の高値を更新するようであれば織り込まれていなかった、更新しないようであれば織り込み済みと考えられます。

つまり月曜日の高値次第。先週の高値を更新しないようであれば1ドル19ペソを割り込んでいくだろうし、押し安値の1ドル18.9ペソを割り込めば上昇トレンドは一先ず収束したと考えることができるでしょう。ですので

月曜日の高値に注目です

これらを踏まえまして来週の大胆レート予想。ドルペソは上は行って今週高値まで、下は先週安値までじゃないかと予想。

USDMXN:18.90000~19.30000

次にドル円です。トランプの追加関税を織り込んでいるとすると上110.800円、織り込んでいないとすると下109.400までと予想。

USDJPY:109.400円~110.800円

このUSDMXNとUSDJPYから来週のMXNJPYの安値と高値はこんな感じになると予想

MXNJPY:5.670円~5.862円

今週もペソの強気は変わりません。

5.700を下回ってきたら買い増し

ですね。

 

トレードは自己責任で!