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FXスワップポイント運用 運用戦略

前回の記事では、スワップポイント狙いで運用する通貨はトルコリラかメキシコペソかその両方がおススメだよ、って事をインフレ率からシミュレートして説明しました。

 

今回の記事では高金利通貨を運用する際の運用戦略(方針)を書いていこうと思います。この運用戦略はトルコリラだろうがメキシコペソだろうがその両方だろうが、どう運用するにしても守るべきルールです。個別戦術の上位に当たるルールが戦略、その上位が大戦略です。戦略、大戦略は法律で言えば憲法に当たる部分ですので大変重要で、戦略・大戦略に反する事は一切やってはいけません。尚、大前提として毎月一定額の資金を投入して高金利通貨を買い増していく運用方法を想定しています。

 

まずは大戦略から。戦略の上位である最上位の基本方針です。

 

1.為替差益、差損に一喜一憂しない

2.まずは生き残れ、儲けるのはその後だ

 

1ですが、スワップポイントで利益を出そうとしてますから為替変動は気にしないでおきましょう。買ったら売らないW. バフェットさんから頂きました。

2ですが、これはジョージソロスの有名な言葉。FXで生き残るというのは強制ロスカットを喰らわないということ。強制ロスカット、ダメ絶対!

 

著名な生きる伝説の二人から頂いた大戦略を考慮しつつ、私が提案するスワップポイント狙いの運用戦略は次の5つ。

 

A.スワップポイントは次回購入資金に回す

B.利確しない

C.レバレッジは3~4倍(平時)

D.出来るだけコスト平均法で買わない

E.最適な口座で運用する

 

 B~Dの3つは、おそらくスワップポイント狙いの運用に関する諸先輩方の戦略と大きく違うかもしれません(苦笑。僕なりに理屈を突き詰めていった結果です。では一つづつ説明していきます。

 

A.スワップポイントは次回購入資金の一部とする

複利で運用するってことです。単利で回すよりも複利で回す方が資産を増やす際に圧倒的に有利となります。これは多分誰からも異論がでないよね?笑。スワップポイントは証拠金維持率の計算に組み込まれますので、証拠金維持率に基づいた買い増し作戦を行うと知らずに使うことになります。

 

B.利確しない

大戦略1に叶う戦略です。為替差益を利確してスワップポイントと合わせ年間20万円以上の利益を発生させてしまうと税金がかかります。利確せず税金として払う分を全て運用に回していけばその分だけ有利に運用ができます。また利確して一旦買いポジションを閉めるという事は、安くなったら再エントリーしてその差額を抜くって事です。でも利確したポイントが天井でなくてそのまま上抜けして中々降りてこなくていつまで経っても再エントリーできないことも考えられます。せっかく利益を出しても再エントリーできない状況が長く続くとスワップポイントが勿体ない。

 

ただ、レートが想定以上に上がってしまった時は利確するのもあり。また口座を引っ越す場合は手仕舞いしなければなりませんので仕方なし。さらに受け取ったスワップポイントに税金がかかる証券会社で運用している場合は納税のために利確することも必要になるでしょう。その場合年末に為替差損が出ているポジションを一旦手仕舞いして、洗い替えで再度買い建てすれば税金のダメージを最小限にできます。

 

C.レバレッジは3~4倍(平時)

世の諸先輩方は、為替の急落に備えてレバレッジを低くすることを推奨されています。トルコリラなんか等倍とか2倍とか。新興国通貨は急落すると下落率が半端ないですからね。忘れもしない2018年8月10日のトルコショック。トルコリラは1日で高値→安値まで20.5%下落しました。あっと言うまでした。今年の1月3日にはフラッシュクラッシュもありました。それを踏まえての低レバの助言です。

 

でも私の考えは違います。他に急落から生き残る術があるからです。私はトルコショックもフラッシュクラッシュも経験してますし生き残っています。もっと言うと急落を利用して利益を拡大させています。

 

急激な為替の下落に耐え強制ロスカットを免れる方法は3つ

1.レバレッジを低くする

2.スワップ運用を鞘取りの方法にしておく

3.急落の時だけ両建てにしてやり過ごす

 

1は確かに正攻法です。でも1年で合計数日しかない急激な下げの日のために、残りの360日を低レバレッジで過ごすのは凄く勿体ない。さらにどこまで下げるのかがわからない以上リスクは完全には消えません。等倍運用ならいいかもしれませんが。でもそれだったらそもそも高金利通貨で運用せずに、中程度金利の通貨でもう少しレバレッジをかけて運用すればいい話。ハイリスクなトルコリラ、メキシコペソを運用対象としてハイリターンを狙う道を選ぶなら、この1を選択するというのはそもそも矛盾します。

 

2も3も両建てで為替変動を乗り切る手法です。2は常に両建て状態、3は急激な下落の時だけ両建てにする方法です。2でも確かに為替の急激な下落には耐えられますがマイナスのスワップポイントが必ず発生しますので運用としては非効率です。口座から口座への資金移動の手間もあります。

 

私は3を推奨します。通貨によって違ってきますが、両建ての売り注文を逆指値で前もって出しておいて不測の急落に備えておきます。注文さえ出しておけば夜中も放置で大丈夫。この手法が有効な事は過去の急落を掻い潜ってきた僕が身をもって実感しています。

 

もちろん3にも弱点はあります。ですので両建て注文による為替急落の回避策は別の記事にて詳しく書きますね。高金利通貨スワップ運用の最大の鍵になる部分ですので。尚レバレッジを3~4倍とするのは、急落時に両建てで凌ぎつつもちゃっかり買い増ししていくための余裕を残すためです。上手くいけば売りでも利益が出せて、さらに下の方でのバーゲンセールで安く高金利通貨をゲットできます。後はスワップポイントが溜まってきてまたレバレッジが3〜4倍まで戻るのを待ちます。複雑そうですがこれはそれほど難しくはないです。

 

D.出来るだけコスト平均法で買わない

価格変動するものを積立で購入する時コスト平均法がよく使われます。確かに悪くないのですが高金利通貨にはもっと良い方法があるんです。最初に始める時などではコスト平均法は仕方ないけどね。

 

ぶっちゃけて言いますと高金利通貨は年に1~2回くる急落時にまとめて安く買うのが一番お得です。急落ってことは

 

大バーゲンセール!

 

なんですよね。買いポジションを持っててバーゲンセールが来ると、為替差益が減って逆に差損になったりしますからがっかりしたりしますがそれは違います。だって大戦略1があるんですからがっかりする事自体が間違いなんです。バーゲン、それは戦い。血沸き肉躍る瞬間なんです。喜び勇んで買い付けに行きましょう!

 

バーゲンの時に6カ月程度先までの購入LOT数を仕込めればラッキー。レバレッジを平時に3〜4倍に抑えておくのはこのため。主婦が安い時に洗剤を買い溜めておくのと同じですね。僕は常に急落に備えて何段階かの指値買い注文を入れています。この方法も急落時の対処作戦を説明する時に詳しく書きますね。

 

E.最適な口座で運用する

2つの通貨を運用する場合、2つの通貨は別々の口座で運用するのがいいというのが主流なようです。何故なら急落で片方の通貨が暴落して強制ロスカット喰らうような場合、他の通貨も道ずれになって全滅するからってのが理由です。でもCで書いたようにそもそも為替急落での為替差損の影響を受けないようにする手法があるので強制ロスカットを気にしなくていい筈です。

 

急落が理由ではなく、各通貨で最適な口座で運用するのがいいと考えます。スワップポイントは各証券会社でビックリするほど違いがあります。リラが得意な会社、ペソが得意な会社が別々に存在したりします。もしリラもペソも好条件な証券会社があればその1社にまとめておいても構わないと思います。分けること自体が目的ではなく、運用する通貨の有利な証券口座を選べばよいのです。

 

例えば、メキシコペソはセントラル短資FXが一番スワップポイントが高いようです。15~17円、平均16.25円。しかもスプレッドが狭い。0.4銭!ただ受け取ったスワップポイントは口座に反映されるため課税対象になるんですよねぇ。それでもスワップポイントの高さは絶対的な正義なのでメキシコペソをセントラル短資FXで運用するのはあり。トルコリラは買いスワップが低いこと、売りと買いでスワップの絶対値が異なるため両建てに向かないことから他の証券会社をお勧めします。

 

結局のところ、運用戦略は急激な通貨下落をどうやって乗り切るかでかなり変わってきます。僕は両建てで完全防御態勢を取れると思っているので少しアグレッシブな戦略を提案します。