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FXスワップポイント 高金利通貨最新事情(2019年4月)

◇運用に有利な通貨ペアを考える◇

 

金利通貨と日本円のスワップポイントを狙った運用、現在どの通貨ペアが有利なのかをインフレ率、最新のクロス円レートとスワップポイント(以下「スワポ」)を使って考えてみましょうのコーナーです。今回から為替レートの下落に伴ってスワポも下がっていくようにシミュレーションを変えてみました。インフレ率の高いトルコリラには不利な条件です。現在の為替レートとスワポだけでのシミュレーションは幾つか見ますがインフレによるレートとスワポ下落まで考慮したのは無かったので作成してみました。

 

政策金利だけ見るとトルコリラが24%と圧倒的に高いので、スワポ狙いの運用は『トルコリラで決まり!』ってなりがちですが話はそう簡単ではありません。トルコはインフレ率が20%とかなり高いのです。インフレとは物価に対して貨幣価値が下がる現象です。つまり

インフレ率の高い国の通貨ほど大きく下落していく

インフレ率の低い通貨に対してインフレ率の高い通貨は下落していくのが普通です。どんなにスワップポイントが高くても為替差損が大きければトータル収支は低くなります。なので通貨ペアと運用証券会社の選択はシミュレーションで慎重に行わなければなりません。高金利通貨であるトルコリラ、メキシコペソ、南アランドで実際にシミュレートしてみます。

 

特に今回はメキシコペソのスワップポイントが高いことで有名なセントラル短資FXのスワポでもシミュレートしました。右側カラムにバナーを張っておきましたので口座開設の申し込みはこちらから(苦笑)

 

セントラル短資FXのメキシコペソのスワポはかなり高いです。3月だと15~17円、平均15.38円で、みんなのFXの13円から見たら18.3%も高い!しかも買いと売りのスワポ絶対値が同じ。さらにスプレッドが僅か0.4銭(0.4 pips)とメジャー通貨並みに低い!まめに利確するスタイルの人、緊急時に両建てにする人なら圧倒的にセントラル短資FXの方が有利なはずです。

 

◇シミュレーション条件◇

各通貨2019年3月29日の終値(ASK値)を基準として、2018年のインフレ率通りに貨幣価値が毎月下落していったと仮定してシミュレートします。スワップポイントは2019年3月末時点での『みんなのFX』のものを使用。メキシコペソだけセントラル短資FXのものを追加しています。使用したインフレ率は以下の通り。

 

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日本を入れているのは相手通貨である日本のインフレ率も影響するからです。さらに毎月の下落シミュレーションなので毎月の下落率を出しています。これを元に各通貨を1年間1Lot保有し続けたと仮定して算出しました。

 

各通貨はレートの大きさがまちまちですので、同じ1Lotでも必要な日本円、損益はスケールが全く異なります。同じ規模に揃えないと比較できませんので、規模を揃えて比較しやすくしたものが最終段の『規模調整収益』になります。各通貨を100万円で購入した場合の収益結果です。

 

◇シミュレーション結果◇ 

シミュレーション結果の詳細です。各月ごとに想定レート、想定為替差損、スワポの累計を出しています。小さくてごめん。クリックして拡大してね(スマホは横向きで)。

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途中の月のデータをすっとばして、半年後と1年後だけをまとめたのが以下の表。

 

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この結果から、みんなのFXで運用成績が良かったのが1位トルコリラ(4.92%)、2位メキシコペソ(4.81%)、3位南アランド(2.33%)であることが分かりました。トルコリラとメキシコペソ差は僅差。一方メキシコペソと南アランドは収益でかなり離れてしまっています。南アランドは現在のスワポが19円にならないとメキシコペソに追いつきません。トルコリラスワップポイントは高いものの通貨の下落も大きいので結局メキシコペソと同程度の収益になってしまいます(得られるスワップポイントの3/4以上が為替差損で持ってかれます)。

 

ただ、メキシコペソのスワポが高いセントラル短資FXでの運用成績が群を抜いています。年末に同値で洗い替えを行うと規模調整後で9,053円の税金がかかりますが、税引き後でも利益率は5.01%と5%台をキープ。今から運用を始めるならセントラル短資FXでメキシコペソが最も有利であるとの結果になりました。

 

◇結論◇

今回のシミュレーションから言える結論は、

 1)みんなのFXで運用に有利な通貨はトルコリラとメキシコペソ

 2)トルコリラはスワポも大きいが通貨下落の影響も大きい

 3)南アランドトルコリラやメキシコペソに比べて収益面で見劣りする

 4)最も有利なのはセントラル短資FXでメキシコペソ

 

あくまでも現時点での数値を元にしたシミュレーションです。途中で前提となる数字が変化しますと結果は大きく違ってきます。変動要因としては

 A:政策金利の変更

 B:インフレ率の変動

 C:証券会社のスワポ付与率の変更

 D:為替レートに影響を与える経済指標・事件等

などが考えられます。リラもペソも米国との関係でレートが大きく変動するので注意が必要ですね。

トレードは自己責任で!