FX初心者トレーダーの情報発信

株のシステムトレーダーがFXを科学する

FXスワップポイント運用 メキシコペソ事情

前回の記事ではスワップポイント狙いのための高金利通貨をインフレ率を使ってシミュレートしてみました。その結果メキシコペソが有利という結果になりましたので、今回はメキシコペソの深掘りをテーマに記事を書いてみます。

 

メキシコの地理、歴史、現在の人口や産業はWikipediaなどを見て頂くとして、ここではメキシコペソに絞って簡単にお話します。メキシコは輸出の7割以上、輸入の5割以上が隣国の米国相手です。なのでペソの歴史はほぼ米国との関係に集約されます。特に最近はトランプ大統領が大統領選挙中や当選した後の発言に大きく左右される事が続いています。

 

◇対米ドルでのペソ◇

メキシコペソですが、1980年代と1990年代に二度の通貨危機を経験しています。2000年代に入ってからは政治、経済が安定し、高い政策金利とメキシコペソの格付けの上昇により信用力が上昇、対USドルで為替レートは安定してきました。

しかし、2016年になって米大統領選期間中にトランプがメキシコとの国境にメキシコ負担で壁を作らせるとか、NAFTA北米自由貿易協定)から脱退するとかといった発言をしたため、再びUSDMXNは上昇(ペソ安)していきました。そしてトランプが大統領に就任した2017年1月にUSDMXNは最高値(ペソ最安値)をつけました。(1)

その後、2017年2月から7月にかけてメキシコ中央銀行が連続して利上げを実施し、再びUSDMXNは下落(ペソ高)に転じていきました。(2)

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ところが、米連邦制度理事会(FRB)が断続的な利上げを行いドル高に振れたことから、2017年8月から再びUSDMXNは上昇していきます。最近までこの流れが続いていました。ただ2019年3月にFRBが2019年の利上げ打ち止めを発表したので今後はトレンド転換(ペソ高)が起きるかもしれません。

USDMXNの週足チャートに、上記(1)と(2)でのフィボナッチライン、高値・安値を結んだトレンドラインを描いてみました。

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直近までのトレンドとしては高値切り下げ下値切り上げの収束型BOXとなっています。2019年3月、FRBの暫く金利上げない発表によってこのトレンドが変わるかどうかの見極めが必要ですね。トレンドが変わらない場合、高値と下値が収束していって急にどちらかに振れる場合があるので注意です。トランプがまた余計なこと言って短期的にペソ安に振れることがあっても、中期的にはペソ高に向かう可能性の方が高いと考えられます。

 

またメキシコは産油国ですので原油価格でもペソは変動するようです。最近はWTIで1バレル当たりUSD60前後で高値安定していますのでペソにとっては居心地が良さそうです。USD50を切ってくるとペソ安要因になるので注意。

 

◇対円でのペソ◇

次に対円でのペソです。史上最安値は2016年11月9日の4.87円。2018年以降は5.500~6.000の間を短・中期的な周期で上昇・下降・横這いを繰り返しています。時々6.000を超えたり、5.500を下回ったりしますが比較的早くこの5.500~6.000のレンジに戻るようです。このレンジの中5.780付近に中間のレジサポラインがあるように思います。これを下から上に強く抜けると6.00に近づき、逆に上から下に強く抜けると5.500に近づくパターンが多いようです。時々上下にオーバーシュートする場合も見られますが、対米ドルでのチャートが高値切り下げ下値切り上げの収束型BOXになっているためオーバーシュートの機会も少なくなってきている印象です。米ドル円がドル高に振れるとペソ円も上がり、ドル安に振れると下がります。下↓は2018年からの日足チャート。

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◇ペソ円の買い仕込み方◇

毎月積み立てのコスト平均法で買う場合でも中間のレジサポライン5.780以下で仕込みたいところです。セントラル短資FXのスワポが15円/LOT・日なので1ヶ月かかっても4.5pips安く仕込めれば為替差益と相殺できます。無理に5.780以上で買う必要はあまりないんじゃないかと。

トランプ発言などで5.600以下のペソ安に振れたら、それはペソの短期バーゲンセールと思いますので少し多めに買い増ししておいてもいいかも。もちろんトランプ大統領にお礼を言いながら買ってください(笑。5.5円代で欲張り過ぎて買い過ぎてしまったら、5.780以上になった時にポジション調整してもいいかもねですね。

 

◇ペソ円の今後の波乱要因◇

良くも悪くも米国の景気、米国との関係次第です。米国の景気判断に関係する指数・指標、FRB金利発表、トランプの国境の壁発言で大きく動く可能性があります。もちろんメキシコの政策金利でも動きます。次に原油価格ですね。また現在の大統領は左翼系なのでポピュリズム政策に走らないとも限りません。左翼系はともかく経済・金融政策に疎いので。

 

トレードは自己判断で

FXスワップポイント 高金利通貨最新事情(2019年4月)

◇運用に有利な通貨ペアを考える◇

 

金利通貨と日本円のスワップポイントを狙った運用、現在どの通貨ペアが有利なのかをインフレ率、最新のクロス円レートとスワップポイント(以下「スワポ」)を使って考えてみましょうのコーナーです。今回から為替レートの下落に伴ってスワポも下がっていくようにシミュレーションを変えてみました。インフレ率の高いトルコリラには不利な条件です。現在の為替レートとスワポだけでのシミュレーションは幾つか見ますがインフレによるレートとスワポ下落まで考慮したのは無かったので作成してみました。

 

政策金利だけ見るとトルコリラが24%と圧倒的に高いので、スワポ狙いの運用は『トルコリラで決まり!』ってなりがちですが話はそう簡単ではありません。トルコはインフレ率が20%とかなり高いのです。インフレとは物価に対して貨幣価値が下がる現象です。つまり

インフレ率の高い国の通貨ほど大きく下落していく

インフレ率の低い通貨に対してインフレ率の高い通貨は下落していくのが普通です。どんなにスワップポイントが高くても為替差損が大きければトータル収支は低くなります。なので通貨ペアと運用証券会社の選択はシミュレーションで慎重に行わなければなりません。高金利通貨であるトルコリラ、メキシコペソ、南アランドで実際にシミュレートしてみます。

 

特に今回はメキシコペソのスワップポイントが高いことで有名なセントラル短資FXのスワポでもシミュレートしました。右側カラムにバナーを張っておきましたので口座開設の申し込みはこちらから(苦笑)

 

セントラル短資FXのメキシコペソのスワポはかなり高いです。3月だと15~17円、平均15.38円で、みんなのFXの13円から見たら18.3%も高い!しかも買いと売りのスワポ絶対値が同じ。さらにスプレッドが僅か0.4銭(0.4 pips)とメジャー通貨並みに低い!まめに利確するスタイルの人、緊急時に両建てにする人なら圧倒的にセントラル短資FXの方が有利なはずです。

 

◇シミュレーション条件◇

各通貨2019年3月29日の終値(ASK値)を基準として、2018年のインフレ率通りに貨幣価値が毎月下落していったと仮定してシミュレートします。スワップポイントは2019年3月末時点での『みんなのFX』のものを使用。メキシコペソだけセントラル短資FXのものを追加しています。使用したインフレ率は以下の通り。

 

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日本を入れているのは相手通貨である日本のインフレ率も影響するからです。さらに毎月の下落シミュレーションなので毎月の下落率を出しています。これを元に各通貨を1年間1Lot保有し続けたと仮定して算出しました。

 

各通貨はレートの大きさがまちまちですので、同じ1Lotでも必要な日本円、損益はスケールが全く異なります。同じ規模に揃えないと比較できませんので、規模を揃えて比較しやすくしたものが最終段の『規模調整収益』になります。各通貨を100万円で購入した場合の収益結果です。

 

◇シミュレーション結果◇ 

シミュレーション結果の詳細です。各月ごとに想定レート、想定為替差損、スワポの累計を出しています。小さくてごめん。クリックして拡大してね(スマホは横向きで)。

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途中の月のデータをすっとばして、半年後と1年後だけをまとめたのが以下の表。

 

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この結果から、みんなのFXで運用成績が良かったのが1位トルコリラ(4.92%)、2位メキシコペソ(4.81%)、3位南アランド(2.33%)であることが分かりました。トルコリラとメキシコペソ差は僅差。一方メキシコペソと南アランドは収益でかなり離れてしまっています。南アランドは現在のスワポが19円にならないとメキシコペソに追いつきません。トルコリラスワップポイントは高いものの通貨の下落も大きいので結局メキシコペソと同程度の収益になってしまいます(得られるスワップポイントの3/4以上が為替差損で持ってかれます)。

 

ただ、メキシコペソのスワポが高いセントラル短資FXでの運用成績が群を抜いています。年末に同値で洗い替えを行うと規模調整後で9,053円の税金がかかりますが、税引き後でも利益率は5.01%と5%台をキープ。今から運用を始めるならセントラル短資FXでメキシコペソが最も有利であるとの結果になりました。

 

◇結論◇

今回のシミュレーションから言える結論は、

 1)みんなのFXで運用に有利な通貨はトルコリラとメキシコペソ

 2)トルコリラはスワポも大きいが通貨下落の影響も大きい

 3)南アランドトルコリラやメキシコペソに比べて収益面で見劣りする

 4)最も有利なのはセントラル短資FXでメキシコペソ

 

あくまでも現時点での数値を元にしたシミュレーションです。途中で前提となる数字が変化しますと結果は大きく違ってきます。変動要因としては

 A:政策金利の変更

 B:インフレ率の変動

 C:証券会社のスワポ付与率の変更

 D:為替レートに影響を与える経済指標・事件等

などが考えられます。リラもペソも米国との関係でレートが大きく変動するので注意が必要ですね。

トレードは自己責任で!

FXスワップポイント運用 運用戦略

前回の記事では、スワップポイント狙いで運用する通貨はトルコリラかメキシコペソかその両方がおススメだよ、って事をインフレ率からシミュレートして説明しました。

 

今回の記事では高金利通貨を運用する際の運用戦略(方針)を書いていこうと思います。この運用戦略はトルコリラだろうがメキシコペソだろうがその両方だろうが、どう運用するにしても守るべきルールです。個別戦術の上位に当たるルールが戦略、その上位が大戦略です。戦略、大戦略は法律で言えば憲法に当たる部分ですので大変重要で、戦略・大戦略に反する事は一切やってはいけません。尚、大前提として毎月一定額の資金を投入して高金利通貨を買い増していく運用方法を想定しています。

 

まずは大戦略から。戦略の上位である最上位の基本方針です。

 

1.為替差益、差損に一喜一憂しない

2.まずは生き残れ、儲けるのはその後だ

 

1ですが、スワップポイントで利益を出そうとしてますから為替変動は気にしないでおきましょう。買ったら売らないW. バフェットさんから頂きました。

2ですが、これはジョージソロスの有名な言葉。FXで生き残るというのは強制ロスカットを喰らわないということ。強制ロスカット、ダメ絶対!

 

著名な生きる伝説の二人から頂いた大戦略を考慮しつつ、私が提案するスワップポイント狙いの運用戦略は次の5つ。

 

A.スワップポイントは次回購入資金に回す

B.利確しない

C.レバレッジは3~4倍(平時)

D.出来るだけコスト平均法で買わない

E.最適な口座で運用する

 

 B~Dの3つは、おそらくスワップポイント狙いの運用に関する諸先輩方の戦略と大きく違うかもしれません(苦笑。僕なりに理屈を突き詰めていった結果です。では一つづつ説明していきます。

 

A.スワップポイントは次回購入資金の一部とする

複利で運用するってことです。単利で回すよりも複利で回す方が資産を増やす際に圧倒的に有利となります。これは多分誰からも異論がでないよね?笑。スワップポイントは証拠金維持率の計算に組み込まれますので、証拠金維持率に基づいた買い増し作戦を行うと知らずに使うことになります。

 

B.利確しない

大戦略1に叶う戦略です。為替差益を利確してスワップポイントと合わせ年間20万円以上の利益を発生させてしまうと税金がかかります。利確せず税金として払う分を全て運用に回していけばその分だけ有利に運用ができます。また利確して一旦買いポジションを閉めるという事は、安くなったら再エントリーしてその差額を抜くって事です。でも利確したポイントが天井でなくてそのまま上抜けして中々降りてこなくていつまで経っても再エントリーできないことも考えられます。せっかく利益を出しても再エントリーできない状況が長く続くとスワップポイントが勿体ない。

 

ただ、レートが想定以上に上がってしまった時は利確するのもあり。また口座を引っ越す場合は手仕舞いしなければなりませんので仕方なし。さらに受け取ったスワップポイントに税金がかかる証券会社で運用している場合は納税のために利確することも必要になるでしょう。その場合年末に為替差損が出ているポジションを一旦手仕舞いして、洗い替えで再度買い建てすれば税金のダメージを最小限にできます。

 

C.レバレッジは3~4倍(平時)

世の諸先輩方は、為替の急落に備えてレバレッジを低くすることを推奨されています。トルコリラなんか等倍とか2倍とか。新興国通貨は急落すると下落率が半端ないですからね。忘れもしない2018年8月10日のトルコショック。トルコリラは1日で高値→安値まで20.5%下落しました。あっと言うまでした。今年の1月3日にはフラッシュクラッシュもありました。それを踏まえての低レバの助言です。

 

でも私の考えは違います。他に急落から生き残る術があるからです。私はトルコショックもフラッシュクラッシュも経験してますし生き残っています。もっと言うと急落を利用して利益を拡大させています。

 

急激な為替の下落に耐え強制ロスカットを免れる方法は3つ

1.レバレッジを低くする

2.スワップ運用を鞘取りの方法にしておく

3.急落の時だけ両建てにしてやり過ごす

 

1は確かに正攻法です。でも1年で合計数日しかない急激な下げの日のために、残りの360日を低レバレッジで過ごすのは凄く勿体ない。さらにどこまで下げるのかがわからない以上リスクは完全には消えません。等倍運用ならいいかもしれませんが。でもそれだったらそもそも高金利通貨で運用せずに、中程度金利の通貨でもう少しレバレッジをかけて運用すればいい話。ハイリスクなトルコリラ、メキシコペソを運用対象としてハイリターンを狙う道を選ぶなら、この1を選択するというのはそもそも矛盾します。

 

2も3も両建てで為替変動を乗り切る手法です。2は常に両建て状態、3は急激な下落の時だけ両建てにする方法です。2でも確かに為替の急激な下落には耐えられますがマイナスのスワップポイントが必ず発生しますので運用としては非効率です。口座から口座への資金移動の手間もあります。

 

私は3を推奨します。通貨によって違ってきますが、両建ての売り注文を逆指値で前もって出しておいて不測の急落に備えておきます。注文さえ出しておけば夜中も放置で大丈夫。この手法が有効な事は過去の急落を掻い潜ってきた僕が身をもって実感しています。

 

もちろん3にも弱点はあります。ですので両建て注文による為替急落の回避策は別の記事にて詳しく書きますね。高金利通貨スワップ運用の最大の鍵になる部分ですので。尚レバレッジを3~4倍とするのは、急落時に両建てで凌ぎつつもちゃっかり買い増ししていくための余裕を残すためです。上手くいけば売りでも利益が出せて、さらに下の方でのバーゲンセールで安く高金利通貨をゲットできます。後はスワップポイントが溜まってきてまたレバレッジが3〜4倍まで戻るのを待ちます。複雑そうですがこれはそれほど難しくはないです。

 

D.出来るだけコスト平均法で買わない

価格変動するものを積立で購入する時コスト平均法がよく使われます。確かに悪くないのですが高金利通貨にはもっと良い方法があるんです。最初に始める時などではコスト平均法は仕方ないけどね。

 

ぶっちゃけて言いますと高金利通貨は年に1~2回くる急落時にまとめて安く買うのが一番お得です。急落ってことは

 

大バーゲンセール!

 

なんですよね。買いポジションを持っててバーゲンセールが来ると、為替差益が減って逆に差損になったりしますからがっかりしたりしますがそれは違います。だって大戦略1があるんですからがっかりする事自体が間違いなんです。バーゲン、それは戦い。血沸き肉躍る瞬間なんです。喜び勇んで買い付けに行きましょう!

 

バーゲンの時に6カ月程度先までの購入LOT数を仕込めればラッキー。レバレッジを平時に3〜4倍に抑えておくのはこのため。主婦が安い時に洗剤を買い溜めておくのと同じですね。僕は常に急落に備えて何段階かの指値買い注文を入れています。この方法も急落時の対処作戦を説明する時に詳しく書きますね。

 

E.最適な口座で運用する

2つの通貨を運用する場合、2つの通貨は別々の口座で運用するのがいいというのが主流なようです。何故なら急落で片方の通貨が暴落して強制ロスカット喰らうような場合、他の通貨も道ずれになって全滅するからってのが理由です。でもCで書いたようにそもそも為替急落での為替差損の影響を受けないようにする手法があるので強制ロスカットを気にしなくていい筈です。

 

急落が理由ではなく、各通貨で最適な口座で運用するのがいいと考えます。スワップポイントは各証券会社でビックリするほど違いがあります。リラが得意な会社、ペソが得意な会社が別々に存在したりします。もしリラもペソも好条件な証券会社があればその1社にまとめておいても構わないと思います。分けること自体が目的ではなく、運用する通貨の有利な証券口座を選べばよいのです。

 

例えば、メキシコペソはセントラル短資FXが一番スワップポイントが高いようです。15~17円、平均16.25円。しかもスプレッドが狭い。0.4銭!ただ受け取ったスワップポイントは口座に反映されるため課税対象になるんですよねぇ。それでもスワップポイントの高さは絶対的な正義なのでメキシコペソをセントラル短資FXで運用するのはあり。トルコリラは買いスワップが低いこと、売りと買いでスワップの絶対値が異なるため両建てに向かないことから他の証券会社をお勧めします。

 

結局のところ、運用戦略は急激な通貨下落をどうやって乗り切るかでかなり変わってきます。僕は両建てで完全防御態勢を取れると思っているので少しアグレッシブな戦略を提案します。

 

 

FXをはじめてみて感じた違和感

株式のシステムトレーダーな私がFXをはじめてみて、最初に感じた違和感3つを書いておこうと思います。

 

1)トレード結果としての『pips』

まずFXでは『pips』という単位で損益を語る場面をよく見ます。pipsって結局単価(レート)の損益『幅』なんですよね。エントリー単価と手仕舞い単価の引き算なんです。一方株式では損益幅で言うことはまずなく、通常は損益『率』、割り算なんですね。変動率、損益率なんです。

 

例えば株式トレードで100円のプラスの値幅を取ったとしましょう。それが単価100円の株が200円になったっていうのと、1万円が1万100円になったというのでは全く話が違うじゃないですか。前者は倍になって100%の利益、後者は1%の利益で、利益にしてみれば100倍違う訳です。1株の単価が100円割れの銘柄もあるし数万円の銘柄まであるのが株式市場ですので『幅』で語っても全く意味がありません。なので利益率で考えるのが普通です。

 

FXでも、MXNJPYは約5.7円ですが、GBPJPYは約145円(2019年3月22日終値)、約25倍の開きがあります。MXNJPYの1pipsとGBPJPYの1pipsでは全く意味合いが違うはずですよね。同じ1pipsでもMXNJPYの方がGBPJPYよりも約25倍も価値があるはずです。これは陸上競技で考えると分かりやすいですかね。例えば陸上の100m競争の1秒差とマラソンの1秒差は同じ価値ではないはずです。100mでの1秒差は圧倒的な差ですがマラソンの1秒差なんてほとんど差がないのに等しいです。

 

ここが最初に感じた違和感です。何故『率』ではなく『幅(差)』なのかと。FX上級者からビギナーに対しての言葉に『最初は月に100 pips取るのを目標にするといいよ』なんていうアドバイスを聞いたことがあるんですが意味不明でした。何故率ではなく差を目標にするのかってね。

まぁはじめて半年経ちましたので慣れましたが(笑

 

2)Backtestしなさ過ぎ

株式トレードをしている人でもシステムトレーダー以外はあまりBacktestはしないかもしれません。せいぜいバリュー型投資の人が適正株価からPERを使って割高、割安を算出する程度かな。なのでこれはシステムトレーダーが故の違和感かもしれません。

 

FXトレーダーさん達はチャート解析を凄くよくされます。チャート解析以外に有力な手法がないからでしょうか。でもこれは決して悪いことではなく私もチャート解析をもっと勉強しなければと考えています。チャート解析なら株式トレーダーよりもFXトレーダーの方がかなり上です。

 

ただチャート解析ではじき出されたその売買、そのパターンでの売買はいったいどのくらいの利益率が見込まれるのか、即ち期待値はどの程度なのかってことをあまり分かっていないんじゃないかな。期待値が幾らで勝率が何%で最大ドローダウンがどの程度でっていうのは株のシステムトレーダーが重視するFactorですが、これらがちゃんと検証されていない印象です。感覚に基づいた裁量取引が多いですよね。

 

FXでBacktestの結果を重視するのは、やはりシステムトレーダーであるMT4のEAで売買するトレーダーさん達なのかなと思います。彼らは株のシステムトレーダーと感覚が近いんじゃないかな。

 

3)市場FXと店頭FX

株式の取引きは大型の相対取引を除いて上場している株式市場で行われます。日本株なら東京株式市場です。全ての銘柄の株価は東京株式市場の『板』に集約されますのでみな同じ株価で売買を行います。そして僕は証券会社を通じて東京株式市場で売ったり買ったりしています。

 

ところがFX、東京株式市場にあたるくりっく365での売買(市場FX)以外に証券会社と取引を行う店頭FXがあり、しかも日本の場合多くが店頭FXだと言うからびっくりしました。え?レートって証券会社によって違うの?何で?

 

また外国為替市場であるインターバンク市場でのレート決定の仕組みの複雑さと相まって、この市場FXと店頭FXを理解するのに丸1日を要しました(苦笑。それほどレート決定って複雑で違いがあるんだって。追加でスワップポイントもFX会社で違う。もうわけわかめ状態でした。

 

結局、株の売買は胴元である東京証券取引所のみで行われるので『競馬』に似ているなぁと。競馬の全てのレースオッヅは胴元である日本中央競馬会が計算して発表するもののみ。一方FXは店によって設定が違う『パチンコ』に似てるなぁと。同じ台でも店によって設定が違ってて究極的には店の設定との戦い。そんな風に理解しました(苦笑

はじめに(株式トレーダーがFXに参戦した訳)

はじめまして

 

2018年6月からFXを始めたヒヨコトレーダーのルドルフ、略してルドです。ルドルフという名は競走馬のシンボリルドルフから頂きました(オールドファンなら知ってるかな?)。シンボリルドルフはローマカトリック初代皇帝であるRudolfu von Habsburgから名前を頂いています。なので由緒正しき名前になります(苦笑

 

まず最初に株のシステムトレーダーである僕がFXを始めたきっかけから話します。

 

僕は長いこと株式トレードをやっています。国内株はもちろん米国株も経験しています。年数だけはやたら長いです。インデックスではなく個別株の売買です。5年前からはシステムトレードを開始しました。現在でも続けていてトレードのメインです。まずまず利益は出ています(エッヘン

 

システムトレードに詳しくない人向けにちょいと解説。システムトレードと言うとコンピューターを使ったプログラム系の取引を想像されることが多いですが実は違います。

システム=売買ルール

という意味なんです(ここ重要)。BacktestとForwardtestで見つけた儲かるルールに従って淡々とトレードを繰り返す、だから儲かる。これがシステムトレードです。数あるトレンド系やオシレーター系の指標を使って機械的にトレードを行うのでコンピュータと超抜群に相性がいいのですが、コンピューターは単にシステムトレードを行う為のツールにしか過ぎません。売買ルールを決めてトレードするのであれば、コンピューターを使わなくてもそれはシステムトレードとなります。反対のトレード手法がルールなしの裁量トレードとなる訳です。

 

ところが、株式のシステムトレードを続けていてある壁にぶつかりました。それは投下資金を増やすと自分の仕掛けや手仕舞いで利益率が下がってしまうってこと。僕の株式トレードはボラの高い新興市場が中心。1日の商いは小さく10億円いかないものがほとんどです。そこに一人で何百万も買い注文を入れたり売り注文を入れたりすると自分の注文で単価が不利な方へ動いてしまいます。色々試算した結果、現在の約3倍まで1銘柄への資金を増やすと悪影響が目立ってきて利益が上げづらくなるとの結論になりました。資金3倍っていうのは3年以内にやって来る(はず!)。

 

そこで目を付けたのがFX。為替市場は国際的な取引で出来高東京証券取引所の比ではなく、しかも取り扱い銘柄(通貨ペア)は非常に限られています。僕がちょっと大きめに資金を投下したところで単価(レート)が動くことはありません。いつかはレートを動かすような資金量になってみたいですが・・・。

 

株式トレードが限界となる前に、新しいFXという市場で利益が出せるようになっていたいというのが始めたきっかけになります。将来的には株とFXの両方で利益が出るといいなぁと。株式でも今のシステム(シストレではこれを戦略と言います)と銘柄とか仕掛け手仕舞いのタイミングとかが異なる新しい戦略を構築していこうとは思ってますが。

 

はじめる前は株式トレードもFXも似た者同士のイメージでした。確かに似ている部分は多いですが、全く違うところ、違和感を感じるところも多々ありまして、そんな僕なりに感じたことを新鮮な感覚の内に書き溜めようと思ってブログを始めてみました。

 

また、できたら読んでくれる方々にとって有益な情報も出していければいいなぁと思っています。

 

よろしくお願いします。